MEDY STORY

円に戻していないのに課税?最高裁が示した為替利益の落とし穴

105億円の運用で何が争われたのか

2026年7月13日 公開

まず事件の事実を時系列で確認し、その後に、最高裁がなぜ円転前の為替差益を認めたのかを解き明かします。米国株や海外ETFへつながる実務上の注意点も整理します。

𝕏

AI音声ナレーションは有料プランの機能です

SCROLL

第1章|何があった

円転前の利益に課税?

円へ戻していない利益が課税対象? 最高裁まで争われた事件を見ます

第1章|何があった

発端は105億円の運用

国内居住の男性がスイスの銀行へ 合計105億円を送り運用を一任

事件で行われた資産交換

最高裁判決が認定した取引の概要

円を送金外貨を取得別の外貨へ交換外貨建て証券を取得

第1章|何があった

銀行が外貨と証券へ交換

円で外貨を取得し、別の外貨や 外貨建て有価証券へ交換しました。

第1章|何があった

所得に含めず申告

男性は交換取引で所得が生じない という前提で二年分を申告しました

事件が最高裁へ届くまで

更正処分=税務署が申告税額を修正する処分

2014年105億円を送金2014~15年外貨・証券へ交換2018年更正処分など2026年最高裁判決

第1章|何があった

税務署が申告額を修正

2018年、税務署は為替差損益が 生じたとして更正処分などを実施

第2章|何を争った

争点は利益の確定時期

為替差益があるかだけではなく、 いつ利益が実現したかが争点です

双方が見ていた利益の境目

争点は円転か資産交換か

男性側円へ戻していない価格変動リスクが残る国側別資産へ交換した元の外貨を処分した

第2章|何を争った

男性側と国側の主張

円転前で価格変動リスクも残る。 交換時に元の外貨を処分している

最高裁は上告を棄却

cottonbro studio / Pexels

第2章|最高裁の結論

最高裁は上告を棄却

2026年6月16日、最高裁判決 男性側の上告を棄却しました。

第2章|誤解を修正

含み益課税ではない

外貨を保有し続けるだけではなく 別の資産へ交換した場面が対象です

最高裁が示した利益実現の考え方

現金化ではなく経済的価値の流入

外貨の価値が変動別資産へ交換価値が固定化取得時超過分を利益認識

第3章|判決の理由

なぜ交換時に利益?

元の外貨の変動していた価値が 交換先の資産価値で固定化されます

円からドル、さらにユーロへ

国税庁の質疑応答事例

100万円1万ドル8,000ユーロ

第3章|国税庁の例

100万円の公式例

100万円を1万ドルへ交換した後 8,000ユーロへ交換する事例です

取得時と交換時の円換算額

105億円の運用で何が争われたのか

0万円20万円40万円60万円80万円100万円120万円円換算額取得時交換時

第3章|国税庁の例

交換時の差益は20万円

取得時100万円、交換時120万円 二つの円換算額の差が20万円です

第3章|位置づけ

突然始まった新税ではない

国税庁は判決以前から交換時の 為替差益を認識する見解を公表済み

サイトのプレビューを取得中…(数秒かかる場合があります)
nta.go.jpnta.go.jp

第3章|一次資料

国税庁の計算式を確認

ユーロ交換時の円換算額から、 ドル取得時の円換算額を差し引く計算

円転と資産交換、どちらが境目?

以前から保有した外貨を使う単純化した例

AA|円へ戻した時だけBB|米国株を購入した時VSあなたはどっち?

第3章|クイズ

利益はいつ実現する?

値上がりしたドルで米国株を購入 円転時か、それとも株の購入時か

第3章|資産交換

答えは株の購入時

以前から持つ値上がりしたドルを 株式へ交換した時が論点になります

海外株投資の五つの時点

税務上の論点を時系列で整理

円でドル取得ドル価値変動ドルで株購入株価変動株を売却

第4章

取引を時系列で見る

ドル取得から米国株の売却までを 五つの時点に分けて整理してみます

海外株投資にある二つの損益

発生する時点が異なる

外貨の損益取得から使用まで交換時が論点株式の損益取得から売却まで売却時が論点

二層構造

二つの損益

ドルを取得して株式へ使うまでと 株式を取得して売却するまでの損益

サイトのプレビューを取得中…(数秒かかる場合があります)
nta.go.jpnta.go.jp

一次資料

外国株売却の扱い

株式保有中の為替変動を含めて計算 外国株の譲渡損益として円換算

個別確認

NISAでも一律ではない

ニーサや特定口座という名称だけで 外貨側の扱いまで一律判断できません

一律判断を避ける三つの確認点

口座名だけでは判断しない

確認点見る内容決済方法円貨か外貨か外貨取得直前か以前か金融機関計算範囲

判断分岐

一律に断定しない

決済方法・外貨を取得した時期と経路 金融機関の処理も含め個別に確認

同じ外貨移動でも扱いは異なる

国税庁の個別事例

取引税務上の見方同一通貨の移動一定例は認識不要別資産へ交換差損益が論点

公式例

同じドル移動は例外も

同じ通貨の預入れや払出しでも 差損益を認識しない一定の例がある

第5章

国が勝った。その先

判決の結論は裁判官五人の全員一致 しかし制度への問題提起がなお続く

裁判官五人の内訳

105億円の運用で何が争われたのか

012345補足意見その他

裁判官

5人一致。3人が補足

5人全員が結論に賛成した一方で 3人の裁判官が補足意見を付けた

最高裁判決の二つのメッセージ

補足意見は反対意見ではない

法廷意見現行法で課税交換で利益実現補足意見結論に賛成法整備を要望

二重メッセージ

結論と問題提起

現行法では交換時の課税を認める 同時に明確な法整備も求めています

個人の見方

本当のニュースは何か

国側が勝訴したという結果よりも 制度の曖昧さを裁判官も指摘した

判決が残した二つの意味

現行法の結論と将来の課題

課税実務の確認+制度への問題提起判決の本当の二重構造

要点整理

判決は二つを残した

交換時課税という現在の実務を確認 同時に将来の制度改革へ宿題を残す

第6章

暗号資産にも似た違和感

円を受け取らず所得を計算する例は 暗号資産同士の交換にも存在します

暗号資産の交換例

RDNE Stock project / Pexels

一次資料

暗号資産の交換例

暗号資産エーで暗号資産ビーを購入 エーの譲渡に係る所得を計算します

暗号資産交換時の所得計算例

105億円の運用で何が争われたのか

0万円20万円40万円60万円80万円100万円120万円

公式例

暗号資産も20万円

120万円-譲渡原価100万円 公式例では所得が20万円となります

外貨と暗号資産の共通点

直接適用ではなく考え方を比較

外貨暗号資産最高裁判決円換算が基準国税庁の取扱い評価規定あり別資産へ交換円受取なしも

整理

共通点と違い

共通点は別の資産へ交換すること 適用規定や取得価額の計算は別です

キャッシュフロー

円がないのに納税

税務上の所得は交換時に生じても 手元に納税用の円がない場合がある

第7章

本当のリスクは記録不足

税率より先に確認しておきたいのは 過去の外貨取得価格を追えるかです

外貨取引で残す基本記録

個別計算は専門家へ確認

外貨の取得日数量と取得レート使用日と使用レート交換先の資産手数料と報告書
出典: 公的資料を基に編集部作成Created by medy

記録管理

最低限残す記録

取得日・数量・取得時と使用時レート 交換先・手数料・取引報告書を保存

管理表

残高より履歴

今ある外貨残高を確認するだけでなく 取得時期と取得レートまで残します

今できる三つの対策

節税策ではなく記録と資金管理

課税イベント把握1取得価額を記録2円資金を確保3
出典: 公的資料を基に編集部作成Created by medy

実務

対策は三本柱

交換に当たる取引を把握したうえで 取得価額と納税用の円を管理する

外貨建てMMF投資時の為替レート

105億円の運用で何が争われたのか

020406080100十万ドル取得時投資時

公式例

外貨建MMFでも認識

1ドル90円から105円まで上昇 10万ドルなら為替差益は150万円

個人の見方

制度と実務の距離

海外投資は身近になった一方なのに 長期の取得履歴は本人が管理する

第8章

制度はどう変わる?

相場の強気・弱気を予想するのではなく 制度変更の条件を三つに分けます

今後の三つのシナリオ

相場予測ではなく制度の確認条件

項目現状維持簡素化法整備課税原則維持維持明文化計算負担重い軽減明確化確認情報通達報告書法改正

条件整理

三つの制度シナリオ

制度維持・計算の簡素化・法整備 今後に確認する条件を三つに分ける

暗号資産税制の方向

Tima Miroshnichenko / Pexels

制度変更

暗号資産税制の方向

法改正を前提とする新しい取扱い 対象暗号資産の譲渡などを20%課税

2026年7月10日確認

法案は審議中

2026年7月10日現在、委員会付託 議決日と公布日は現時点で未記載

第9章

変わったのは管理単位

海外投資では銘柄の損益だけでなく 購入へ使った通貨の履歴も管理する

海外投資で確認する三項目

個別の税務判断は専門家へ

外貨の取得履歴別資産への交換納税用の円資金
出典: 公的資料を基に編集部作成Created by medy

行動ヒント

最後の三チェック

外貨の取得履歴と別資産への交換 納税に使える円資金まで確認する

一般情報

税金に関するご注意

本動画は一般的な情報提供であり 個別の申告・税額は専門家へ確認

— END —

円に戻していないのに課税?最高裁が示した為替利益の落とし穴