MEDY STORY
【高配当】LIXIL配当性向317%。90円配当は本当に続く?
純利益317.7%とFCF43.8%のズレ
2026年8月31日 公開
LIXILの年間配当は90円。前期の純利益ベース配当性向は317.7%ですが、キャッシュフローから見ると姿が変わります。11期非減配の実績、EBITDA基準の配当方針、直近Q1の減益、財務負担まで数字で検証します。
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最大の分かれ目
配当性向317.7%
前期実績の配当性向は317.7% 年間配当は90円を維持
企業紹介
住まいを支えるLIXIL
水まわりから窓・ドアまで 住宅設備と建材を国内外で展開
総合スコア
配当独自スコア53点
実績は強い一方で 持続力・業績・株価が弱い
株価
利回り5%はなぜ生まれた
増配で高くなったのか 株価低下で高くなったのか
長期株価
5年で見る株価の振れ
配当は安定していても 株価そのものは大きく動く
配当推移
90円は4期連続で横ばい
2023年3月期から90円据え置き 2027年3月期も90円予想
利回り
現在の予想利回り5.08%
株価1,771円・年間配当90円 2026年8月31日終値基準
オープンループ
増配より株価が効いた?
90円は動いていない それでも利回りは5%台
事業
利益だけでは測れない会社
住宅設備は設備投資も減価償却も大きい 配当の物差しも独特
事業構成
3つの住関連事業
水まわり・住宅建材・リビング 国内外に事業を分散
配当方針
判断軸は純利益だけではない
期間利益・CF・財務・投資を見て 中期的EBITDAから配当を決定
公式方針
長期安定配当を基本とする
長期にわたり安定配当を基本 中期的EBITDAから年間配当を決定
一次資料
2024年に物差しを変更
純利益は変動が大きい EBITDA基準の方が実態に合う
制度比較
累進配当でもDOEでもない
累進配当・DOE・固定性向はなし 安定配当とEBITDAが中心
前提整理
317%だけで結論を出さない
純利益の配当性向は見る ただしEBITDAとCFも同時に見る
配当履歴
実績はどこまで強いのか
方針の拘束力は弱い では実際の配当履歴はどうか
11期非減配
2016年から減配なし
60円から90円へ引き上げ 2026年まで11期連続非減配
増配実績
ただし連続増配ではない
2023年3月期から90円で横ばい 現在の連続増配年数は0期
配当性向
前年は1,291.2%
2025年3月期1,291.2% 2026年3月期317.7%
配当性向推移
純利益ベースは大きく振れる
2024年は最終赤字で算定不能 その後も100%を大幅超過
赤字と配当
赤字でも配当を落とさなかった
2019年と2024年は最終赤字 それでもDPSは維持・増額
方針の強さ
実績は強い、制度は弱い
11期非減配は明確な強み ただし90円を縛る数値ルールはない
評価整理
19点の理由を整理
11期非減配を高く評価 固定的な配当ルールなしで減点
スコア確定
実績と方針は19点
配当の実績と方針 25点満点中19点
最大の分かれ目
317%は本当に危険か
ここが今回最大の分かれ目 純利益とCFで結論が変わる
二択クイズ
FCFでも100%超?
配当性向317.7%なら FCF負担率も100%を超える?
間
答えは43.8%
答え
答えは約43.8%
FCF591億円に対し配当約259億円 負担率は約43.8%
キャッシュフロー
FCFは591億円
営業CF827億円から投資CF236億円 差し引きFCF591億円
一次資料
会社資料でも591億円
営業CF827億円 FCF591億円を原本で確認
EBITDA
EBITDA比では26%
調整後EBITDA984億円 配当比率は26%
スコア確定
配当の持続力は8点
純利益ベース317.7%が重い FCFの余力だけでは高得点に届かない
業績
配当を支える利益は安定か
キャッシュだけでは長期配当は続かない 本業の利益推移を確認
最終利益
最終利益は大きく振れる
2024年は139億円の赤字 2025年20億円・2026年81億円
赤字要因
赤字には一時要因もあった
構造改革費用・金融費用・税負担 純利益だけでは本業を測りにくい
最新Q1
Q1は事業利益17億円
売上は3,792億円へ増加 事業利益は17億円まで減少
Q1比較
事業利益は大幅減
前年同期の90億円から17億円へ 売上増でも利益が残らなかった
会社見通し
それでも通期予想は維持
通期事業利益450億円を据え置き 価格改定効果はQ3以降を想定
スコア確定
業績安定性は8点
売上基盤は大きいが利益は変動 直近Q1も赤字で低評価
住宅市場
新築減少を何で補うか
国内新築は縮小方向 リフォームと海外が支えになるか
出典: FRED / OECD
公的統計
住宅着工は長期で縮小
FRED・OECDの日本住宅着工系列 長期的な需要構造を確認
出典: FRED / OECD
会社前提
新築着工は71.9万戸予想
78.8万戸から72.8万戸へ低下 2027年3月期は71.9万戸想定
リフォーム市場
リフォーム市場は7.5兆円へ
7.3兆円から7.4兆円へ 2027年3月期は7.5兆円想定
最新リフォーム
Q1はリフォーム売上減
国内リフォーム商材945億円 前年同期比-2.5%・構成比47%
スコア確定
業界・事業は10点
新築縮小が逆風 リフォーム・海外・事業分散で一部相殺
バリュエーション
5%利回りは割安の証拠か
利回りだけでは判断できない PER・PBRと他社比較まで確認
株価指標
PER42.43倍・PBR0.78倍
2026年8月31日終値基準 予想PER42.43倍・実績PBR0.78倍
PBR比較
PBRは長期レンジの低い側
2010年以降0.60倍から1.72倍 現在0.78倍は低い側
株価変動
5年チャートで値幅を確認
配当は非減配でも株価は変動 インカムと価格リスクは別物
配当性向比較
配当性向はLIXILだけ突出
LIXIL317.7% 積水40.2%・大和30.9%
スコア確定
株価とリスクは8点
5%利回りは増配だけの成果ではない 低評価と株価変動を重く見る
減配シナリオ
何が起きたら90円は崩れる
単年赤字だけでは足りない EBITDA・FCF・負債を追う
反対論
最強の反対論はFCF
317.7%でもFCF負担は43.8% 今すぐ資金不足とは言えない
条件1
EBITDAの悪化を追う
実績984億円・会社予想1,033億円 固定の減配基準は公表されていない
条件2
FCFが配当額を下回るか
年間配当は約259億円 FCF不足が続けば持続力は低下
条件3
負債倍率が悪化するか
実績4.4倍・会社予想4.3倍 財務改善と逆方向なら配当余力に圧力
謎の回収
5%利回りの正体
DPS90円は横ばい 高利回りは株価評価低下の影響が大きい
総合評価
5項目をもう一度確認
強いのは非減配実績 弱いのは持続力・業績・株価
次回確認
次回決算で見る3数字
調整後EBITDA・FCF Net Debt/EBITDAを追う
会社予想
90円予想は現時点で維持
最新Q1でも年間90円予想は変更なし 通期事業利益450億円も据え置き
最終判定
90円は直ちに破綻しない
ただし長期安定配当と評価するには 利益と財務の弱さが残る
