MEDY STORY
ネクソンの配当利回り15%は続くのか
特別配当415円を除いて配当の持続力を検証
2026年8月29日 公開
表面利回り15.09%の大半は一回限りの特別配当です。普通配当60円、営業CF、現金、配当履歴、株価リスクを分けて検証します。
AI音声ナレーションは有料プランの機能です
最大の分かれ目
15%なのに普通配当は1.9%
予想利回り15.09%の大半は特別配当 普通配当60円なら利回りは1.91%
企業紹介
長寿ゲームIPを世界展開
メイプルストーリーやアラド戦記を長期運営 PC・モバイル・コンソールで世界展開
スコアの仕組み
5項目で配当の続きやすさを採点
実績・持続力・業績・事業・株価を検証 合計100点で配当の安定性を評価
問い
15%は株価下落で生まれたのか
高利回りの理由を株価と配当の両面で確認 増配の積み上げか一時要因かを切り分ける
株価チャート
株価は1年で大きく変動
ネクソン3659の1年チャートを確認 年初来高値と安値の振れ幅も大きい
株価水準
高値4,434円から29%下
8月28日終値3,148円は年初来高値比-29.0% 年初来安値2,110円からは大きく戻した
未回収の疑問
株価下落だけでは説明できない
普通配当60円なら利回り1.91%にとどまる 15%超の主因は415円の特別配当
問い
ネクソンは何で稼いでいるのか
配当の土台はゲームIPの継続収益 単発売り切りではなく長期運営が中心
売上構成
上期売上の74%がPCオンライン
2026年上期はPCオンライン74.2% モバイル25.0%、その他0.8%
地域分散
売上は韓国だけに依存しない
顧客所在地別は韓国43.4%が最大 北米欧州25.6%、中国18.6%へ分散
株主還元
還元基準は営業利益の33%以上
一過性費用を除く前年度営業利益を基準 配当と自社株買いを合わせて還元する方針
方針比較
累進配当でもDOEでもない
普通配当を下げないという明言はない DOEの固定目標ではなく総還元額で管理
一次資料
会社の還元方針を原文で確認
株主還元は配当だけでなく自社株買いも含む 33%以上という基準を会社IRで確認
問い
昔から増配株だったのか
現在の増配だけで長期安定と判断しない 10年以上の履歴で減配と無配も確認する
配当履歴
2016年に減配、17・18年は無配
2016年2.5円へ減配後、2017・2018年は0円 2019年に2.5円で復配して増額が続いた
変遷
配当政策は途中で大きく変わった
無配期を経て2019年に復配 2024年から総還元方針を強化した
配当内訳
475円の87.4%が特別配当
普通配当60円に対して特別配当415円 2026年予想配当の87.4%が一時還元
一次資料
415円は特別配当と明記
年間475円への修正は恒常配当の引き上げではない 会社資料で特別配当の位置づけを確認
間
15%は毎年の配当ではない
高利回りという数字だけを恒常配当とみなさない 特別配当と普通配当を分けて評価する
実績評価
非減配は2019年以降に限られる
2019年以降は減配なしだが10年以上ではない 累進配当やDOEの明言も確認できない
問い
普通配当60円は支えられるのか
特別配当ではなく通常配当の持続力を確認 利益・営業CF・現金の3方向から検証する
配当性向
2025年配当性向は39.3%
2025年実績DPS45円に対する純利益ベース 配当性向39.3%で70%を大きく下回る
CFカバー
営業CFは年間配当額の約4.8倍
2025年営業CF1,718.72億円 同年の配当総額358.01億円を大きく上回る
現金
手元資金は8,420億円へ
2024年3,319億円、2025年4,989億円 2026年6月末は8,420億円まで増加
上期CF
ただし上期営業CFは減少
2025年上期881億円から2026年上期375億円へ 法人所得税支払い増などでキャッシュ流入は低下
特別配当
3,240億円は年間CFを上回る
特別配当総額は約3,240億円 2025年営業CF1,718.72億円の約1.9倍
問い
ゲーム会社でも利益は安定しているか
売上成長だけでなく利益変動も確認 長寿IPが業績の波をどこまで抑えるかを見る
売上成長
売上は2016年から約2.6倍
2016年1,831億円から2025年4,751億円へ 長期では売上規模が大きく拡大した
利益変動
純利益は年ごとの振れが大きい
2023年706億円、2024年1,348億円 2025年は921億円へ低下し変動幅が大きい
直近業績
2026年上期は増収増益
売上2,733億円で17.4%増 営業利益894億円で12.8%増、純利益869億円
問い
長寿IPは安定収益と言えるか
ライブ運営は継続収益を生む一方 流行・規制・主要タイトル集中のリスクも残る
事業構造
長寿IPは強みと集中リスクの両方
継続アップデートで長期間収益化できる 一方で主要フランチャイズ不振の影響は大きい
地域分散
韓国・欧米・中国へ売上を分散
最大地域の韓国でも43.4%にとどまる 複数地域への展開は単一市場依存を和らげる
構造リスク
ゲーム事業には4つの構造リスク
流行変化・新作失敗・各国規制・為替変動 高収益でも公益型の安定産業とは性格が違う
問い
利回り15%を安全度と見てよいか
利回りの高さと株価の安全性は別問題 急落幅・評価水準・同業比較をまとめて確認
株価チャート
年初来で半値近い局面もあった
年初来高値4,434円から安値2,110円へ 高値から安値までの下落率は52.4%
下落率
現在も高値比29%下
8月28日終値3,148円は年初来高値比-29.0% 安値から戻しても高値水準には届いていない
PBR
PBR2.29倍は長期レンジ内
8月28日株価3,148円ベースでPBR約2.29倍 長期レンジ0.99倍から4.30倍の中間圏
罠利回り判定
典型的な罠利回りとも少し違う
株価急落だけで利回りが上がったわけではない 余剰資本を一度に戻す特別配当が主因
問い
普通配当60円まで崩れる条件は何か
415円が消えるのは想定内 本当に見るべきは普通配当60円の減額条件
高利回りの回収
15%の正体は一回限りの資本還元
株価下落だけではなく415円特別配当が主因 通常の配当利回りとして将来へ延長できない
減配条件
普通配当が崩れる3つの条件
主要IP失速・営業CF低迷・還元方針変更 この3つが普通配当の土台を弱くする
通常利回り
通常利回りは1.91%
8月28日株価3,148円で普通配当60円を計算 特別配当込み15.09%との差は13.18ポイント
最強の反対論
財務余力は普通配当を強く支える
現金8,420億円と年間1,000億円級の営業CF力 普通配当60円まで危険と見る材料は現時点で弱い
結論
15%配当株ではなく資本還元イベント
特別配当の大きさと普通配当の持続力は別評価 最終スコアでネクソンの位置づけを確定する
次回確認
次回決算で見る3つの数字
営業CF・普通配当60円・特別配当後の現金残高 配当の土台が変わる兆候を3点で追う